競売入札妨害事件で職員らの逮捕が続いた三重県桑名市で、水谷元(げん)市長(55)側が、親族名義の外車の車庫として、逮捕された業者が所有する倉庫の提供を受けていたことが本紙の取材で分かった。市長側は一時、代金を払っておらず、別の支援業者が事実上、肩代わりしていた。
関係者の話を総合すると、市長は現在、本人名義の乗用車1台を所有。ほかに親族名義では外車など2台がある。これ以外にも過去に親族名義で外車を購入していた。
倉庫は、市長の支援業者で、愛知県警に競売入札妨害容疑で当時の社長(56)=公判中=が逮捕された桑名市の工務店が資材保管用に、市街地に所有。2年前から、別の市長後援会員の業者が工務店から借りて賃料を払っていた。ここが、親族名義の外車2台の車庫として使われていた。
賃料を肩代わりしていた業者も市の工事を請け負っている。
市長は本紙の取材に文書で回答。「(この業者に倉庫を)共同で借りようと提案した。相手が先行して借りたので、その一部を駐車スペースとして借りた」「応分の負担をたびたび申し出たが、その都度受領してもらえなかった。先般一括して支払った」とした。
市長の説明では、1台は2011年4月ごろ引き揚げ、もう1台は8月ごろに売却。賃料は1台当たり月3千円と計算し、2台で計33カ月分の約10万円を払ったという。
不動産業者などによると、市内の貸倉庫の家賃は月数万〜20万円。現場付近の駐車場は屋根なしで月5千〜1万円強で、支払ったとされる額は相場より割安となる。支払い時期は回答がなかった。
工務店の倉庫を使う前には、さらに別の後援会員業者が市郊外の住宅街に所有する資材置き場を車庫として使っていた。この業者も市発注工事を受注している。市長は、賃料支払いなどは「調べないと分からない」と答えた。
水谷市長をめぐっては、相次ぐ市の不祥事を受けて市民団体が解職請求(リコール)の署名集めをしている。
■三重県桑名市の競売入札妨害事件 市発注の2009年5月の小学校体育館耐震補強工事の入札をめぐり、非公表の最低制限価格を漏らしたとして、愛知県警が11年10月、市の元主幹(56)=罰金100万円、停職6カ月=と市長の私的運転手(73)、工務店の当時社長を逮捕。さらに10年5月の別の耐震化工事入札でも漏えいがあったとして、運転手を再逮捕し、元課長補佐(52)=同=と市長支援業者3人を逮捕した。被告らは名古屋地裁での公判で起訴内容を認めた。検察は、運転手が、市長選で協力している後援業者の求めに応じて、市長の威光を背景に価格を聞き出し、落札させたと主張している。
(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012011990080328.html